4.貸切りタクシーで太魯閣渓谷ツアーへ(2日目)

2019年08月|台湾島の東側に行って見たら意外なくらいによかった
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花蓮へ来たのなら「太魯閣渓谷」を見ずに帰ることはできません。太魯閣渓谷は台湾島の第一級の自然と文化の複合遺産で、雄大な渓谷の風景とそれを人力で切り開いた(切り開いたのは当時台湾を統治していた日本。しかしその労働力は台湾人。)開拓路が見どころ。残念ながら台湾(中華民国)は国連に加盟していないので、ユネスコの世界遺産には登録されていませんが、間違いなく世界遺産級の観光地です。

渓谷全体は広く(長く)徒歩で歩ける範囲ではありませんので、全体を観光するには定期的に運行している公共バスを使用するか、タクシーをチャーターする、あるいはツアーに参加することになります。普段なら公共バスを利用して自力で回るのが私たちのスタイルですが、時期的にかなりの暑さが予想され、またバスの本数も限られる(1時間に1本程度)ので、エアコン付きのタクシーチャーターという安易な道に流れてしまいました。

ちなみに、太魯閣観光に使える公共バスは臺鐵花蓮駅前から「1133A」系統が発車しています。結果的に使用しませんでしたが、備忘録として時刻表のアドレスを残しておきます。

2日目午前 ドライバーと合流してツアーに出発

ホテルで朝食を済ませてロビーに降りると、約束した9時にはタクシードライバーが待機してくれていました。タクシーは事前にKKdayという台湾系のツアー会社にお願いをしておきましたが、現地で例えばホテルのフロントデスクにお願いしても問題なく手配してもらえそうです。KKdayにお願いした場合、1日8時間で8400円(5%割引クーポン利用で7980円)でしたが、現地でタクシーチャーターしても3000元が相場らしいので、事前予約の方がお得かもしれません。

太魯閣渓谷の全容は公式ホームページ(日本語あり)に、非常に詳細に記載されているので一度目を通しておくと良いと思います。登山道の閉鎖状況もこちらから確認することができます。観光地図もPDFでダウンロードできます。

七星潭風景区(Chishingtan Scenic Area)

まず最初に向かったのは「七星潭風景区」。1133A系統の公共バスもここに停車するので、バスで観光することを考えていた時もまずここに立ち寄ることにしていました。東向きの海岸なので、立ち寄る時間帯としてはきれいな写真を撮るためにも午前中がおすすめです。またすぐ傍に空軍基地があり、午前中なら朝練に飛び立つジェット戦闘機(F16戦闘機)を見ることもできます。ドライバーから30分後に戻ってくるように言われて海岸へ降り立ちます。

この地域は石の名産地なので、海岸にもきれいな石がたくさん落ちています。しかし残念ながらここで拾った石を持ち帰ることは法律で禁止されておりできません。ツレはそれを知らずにいくつか持ち帰ってきたのをドライバーに注意され、帰りに泣く泣く返しに行きました。それを除いても非常にきれいな海岸で(遊泳は禁止ですが)、浜辺をのんびり散歩するには絶好の場所です。夕方にももう一度(石を返しに)行きましたが、人が多くなっておりザワザワしていたので、やはり静かな午前中に行くのがよいと感じました。

七星潭風景区。

こういう石がごろごろ落ちている。

いつまでも眺めていたくなる風景。

ツレ
ツレ

息をのむほどの青い海。

観光客が少ない朝がおすすめです。

花蓮に行ったらまた必ず行きたいな。

花蓮清水斷崖(Qingshui Cliff)

七星潭風景区の次は「花蓮清水斷崖」へ行こうとドライバーが(Google翻訳越しに)言ってきました。バスで観光することを考えていた際には考えていなかったのですが、ドライバーは観光ルートをきちんと持っているようだったので、特にリクエストをせず申し出に従うことにしました。先ほどの海岸から車で30分程度、海沿いの崖路を登ってゆくと崖の上から海を見渡せる公園がありました。ここでも30分後に戻ってこいとのこと。時間を細かく切られるのはあまり気持ちよくないのですが、それぞれの場所での最適な所要時間をきちんと把握してくれているようで、短そうでちょうどよい時間配分になっています。

臺灣十景の一つだそうです。

空の青と海のグリーンが崖の黒との対比となっていて非常に美しい。

反対側はこんな感じ。

砂卡礑步道(Shakadang Trail)

さていよいよここから太魯閣渓谷へ入ってゆきます。まず最初は「砂卡礑步道」。ドライバーは橋の上で車を止め、歩道に設置された遊歩道へ下りる階段を指さし、ここから下りて行けとのこと。車をトンネルの中に留めておくから、帰ってきたらトンネルの中を探せと言います。トンネル内に駐車するのは日本では違反行為なのだがと思いましたが、まあこれだけ暑いと仕方ないと思います。ドライバーから与えられた時間は1時間強なので、途中の「五間屋」までの1.5km程度を往復します。高低差はほとんどなく、散策にはちょうど良い道です。子連れの西洋人客(街ではほとんど出会わないのに、こういうところに来ると必ずいるのが不思議。)も多くいました。

橋の歩道に設置された階段で遊歩道に降ります。片方が上り専用で、もう片方が下り専用となっています。客が戻ってくるまでの間、車は日射を避けるためトンネルの中で待機します。

蜂や蛇は勘弁願いたい。毒蛇に注意の標識はあちこちで見られました。

川添いの崖を掘りぬいて作られた道。高低差はほぼなく、子供でも歩けます。

崖の間を縫う道も。

川の水は大変綺麗だが、残念ながら川辺に下りることは禁止されている。

景色は雄大過ぎて写真では表現しきれない。

五間屋の休憩スポット。原住民(少数民族)の店舗がいくつかあります。時間的にここで折り返しとなりますが、もう少し奥まで行って見たかった。

2日目午後 引き続き太魯閣観光

ビジターセンター(太魯閣遊客中心)で昼食

軽い散策の後は、位置としては先ほどから少し戻ったところにあるビジターセンター(太魯閣遊客中心)で昼食となります。ドライバーがカードを渡してくれて、「なんのカード?」と聞くとこれを見せると5%の優待価格になるとのこと。これでドライバーにもおそらくキャッシュバックがされる仕組みになっており、「三方良し」ということのようです。ここには無料の地図(日本語版もあり)なども置かれており資料館も併設されているので、フリーで来る場合はまずここに立ち寄って情報を集めるのが良いと思われます。

食事のメニューは5種類で、1つは「原住民風味」のスペシャルメニュと、2種類の素食(ベジタリアン)メニュがありました。料金は高めで「原住民風味」の方は優待割引が効かないとのこと。まあおいしかったですけれど、個人で来る場合はお弁当など持ってきて、どこか景色の良い場所で食べるのがよいように思いました。

原住民風味メニュ。スープがおいしかった。

燕子口步道(Yanzihkou Trail)

かつて日本が台湾島を統治していた時代に、台湾島を横断する「中橫公路」を通す際に一番の難所であるこのあたりに道をつけるために、花崗岩の崖を手掘りで掘らせたトンネル群を歩くトレイルが「燕子口步道」です。歩道と銘打っていますが大型車がぶんぶん通るので、落ち着いて歩ける部分は少なく、また観光客も多いのでゆったり散策する感じではありません。

またこの直前に比較的大きな地震があったばかりなので、一部車の車窓からの見学にするとドライバーが言いました。危険だというのなら仕方ありません(やや不服ではありましたが)ので素直に従いましたが、実際にはヘルメット(貸出してくれます)をかぶって散策している観光客は多数おり、特に問題はなかったようです。

手掘りのトンネル。ハンマーと鏨でこれを掘るのは大変だっただろう。

大型車が並走するのでゆっくり歩けない。

ヘルメットの着用は任意のようですが、できればきちんとかぶりましょう。

天祥

天祥」は太魯閣観光の折り返し点にあたる場所で、ホテルやコンビニ、バスターミナルなどが設置されています。ここからさらに西に向かうと台中方面へ抜けられるはずです。冷房が効いた資料展示室もありますので、ちょっとした休憩には便利ですがドライバーがわざわざここに連れてきた意味は不明。「祥德寺」というお寺が近くにあるのでそこを参拝していたところ天気が急激に悪くなってきて雨が降り出したので、資料展示室でちょっと休憩しただけで車に戻りました。

雨が降ってきました。

長春祠

長春祠」は中横公路を切り開く際に事故で亡くなった労働者の方々を祀ってある祠です。湧き水の滝の上に設置された祠は、その姿を遠くから眺められるよう展望台が設置されています。また祠へ参拝するためにこれまた素掘りのトンネルがあるのですが、私たちが行った際には地震の影響からか通行禁止になっていて、近くまで行くことはできませんでした。

この場所から直接長春祠に至ることはできませんが、この後訪れる「禪光寺」から吊り橋を渡って長春祠遊歩道を1時間ほど歩けば到達することができます。

展望台から長春祠を望む。

長春祠をズームで撮ってみました。

長春祠へ向かう素掘りのトンネルは通行禁止になっていました。

禪光寺

禪光寺」自体は特に見るべきものがあるわけではありませんが、ここの吊り橋はけっこうスリリングなので体験しておくのは良いと思います。この吊り橋重量制限が5人(350kg)と表示されていますが、それ以上の人数を載せていたようにも、、、。吊り橋の向こうは「長春祠遊歩道」となっていて片道2km(1時間)歩けば先ほどの長春祠まで行くことができます。こちらの遊歩道は「散策」ではなく、ある程度の高低差がある「トレッキング」レベルの遊歩道のようです(行かなかったので詳細分からず)。

禪光寺の吊り橋。結構揺れるしスリリングです。

長春祠遊歩道の最初だけ歩いてみました。上りがややきつく、暑いこともあってギブアップ。

ツアーの終わり

この他いくつかのスポットに立ち寄って見学をしました。内容的に詰め込みすぎな感じがややしましたが、普通の観光ならこれくらい回らないと充実感がないのかもしれません。私たちはどちらかと言うと自分の足でガシガシ歩き回りたい方なので、1ヶ所あたりの時間をもう少しゆったりとってある方が好みではありますが、それぞれの場所の特徴など詳しく調べてくる時間がなかったので、結局ドライバーの言うなりの観光をしたことになりました。それはそれで太魯閣渓谷の全体像を理解することには役立ちました。遊歩道やトレッキングトレイルは各所にいくつもあるので、次回来る際には今回の記憶を生かして、自分たち好みのルートを重点的に観光することにして、本日のツアーは終了です。次回いつ来るかはこの時点では未定でしたが、帰国後さっそく秋の時期の航空券を購入したので、またすぐ訪問することになるでしょう。

最後に中横公路(東西横公路)の入り口の碑の前で記念撮影。順番的には一番最初にやることかと思うが、ドライバーさんなりに空いている時間帯を見計らってくれていたようです。

最後に少し時間が余ったので、再度「七星潭」の海岸に寄ってもらい「違法に」持ち出した石を返しに行きました。ツレは随分不服そうでしたが、そういう決まりなら仕方ありませんね。

石の持ち帰りは15000元以下の罰金です。

2日目夕方から夜

公正包子店

ドライバーにホテルまで送ってもらいツアーは終了です。小腹が空いたのでこのあたりで人気だという小籠包を買いに「公正包子店」行きました。ここの小籠包は日本人が想像するスープひたひたの物ではなく、どちらかと言うと小ぶりの肉まんのような感じ。神戸の「老祥記 」を知っている人ならあそこの豚饅頭を想像すると良いかと思います。値段は何と1個5元。店内で食べることもできますが、行列ができていてすぐに入店できそうな雰囲気ではないので、ツレが外帯(お持ち帰り)の方の行列に並んでその間に私がコンビニにビールを買いに行きます。10個買うように言ったのですが、なぜか7個しか包んでくれなかったとのこと。中国語で10は「shi(シー)」なのですが、どうやら7(qi チィー)と間違われたようです。というか今日行った「七星潭」もドライバーは「シーシンタン」と言っていたように聞こえたので、もしかしたら発音の区別がつきにくいのかもしれません。

何はともあれ部屋に戻ってこの包子をビールとともに実食です。食べ応えのあるしっかりした皮の中に濃いめの味付けがされた肉餡が入っていて、ビニル袋に入れてくれたニンニク醤油をつけて台湾ビールと一緒に食べるとサイコーです。私が4つツレが3つぺろりと平らげました。10個かえなかったのが心残りです。

蒸したてのホカホカ小籠包と言うか包子。

台湾ビールと一緒にいただきます

ちなみに公正包子店の隣の「周家蒸餃」も同様に人気があり、人によりどちらが好みか分かれるそうでどちらの店も同じくらい行列ができていました。

ツレ
ツレ

一個20円の肉まんがこんなに美味しいとは!

名物のワンタンもいいけど、これは絶対に食べなきゃダメです。

闔家歡南北餚餐館(満席で入れず)

夕食の場所はツレがGoogleMAPを見ながら選んでくれた「闔家歡南北餚餐館」(GoogleMapでは「閤家歓餐庁」)へ行って見ましたが、ホテルから20分歩いて来たものの満席で入れず。かなりの人気店のようで、tripadvisorでの評判もかなり高かっただけに残念です。

気を取り直して再び夜市へとやってきました。昨夜の東大門観光夜市の奥にある「自強夜市」を目指します。特に目的の店があるわけではないので、店先に並べられている食材を見ながら店選びをしていると、魚を陳列している店があり、台湾ビールの生ビールがあるとのことなので、その店に決定。魚をグリルしてもらい、ヤングコーンがあったのでそれも焼いてもらうことに。後は竹筒おこわもオーダーして台湾ビールの生ビールで今日を締めくくりました。

それはそうと、これまで台湾ビールって生甘くてパンチの足りないどちらかと言うと好みのビールではなかったのですが、今回来てから飲む台湾ビールは今までの印象を一掃するおいしさを感じました。やはり暑いところのビールはそういう時期に飲むように出来ているのだろうかと、一人納得したのでした。

今日の晩御飯。台湾で食べる食事としては地味だけどおいしかったです。

夜市の各お店の裏にはこういう感じで飲食スペースがスタンバイしている。

夜市の中には何故か野砲とかが展示されている。

F5戦闘機なんかも。

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