5.今日は予定なしなので鉄道でどこかへ行って見る(3日目)

2019年08月|台湾島の東側に行って見たら意外なくらいによかった
スポンサーリンク

昨日メインの太魯閣渓谷観光を済ませた私たちのこの日の予定は、夕方に花蓮を発車する列車で台北へ戻ることしか決めていませんでした。それまでの間どこへ行くかということもあまりきちんと計画できないまま出発してしまったので、本当にこの日は行き当たりばったりとなりました。

3日目午前 ひとまず花蓮駅へ向かう

いずれにしてもホテルは一旦チェックアウトしなければなりません。チェックアウト後荷物を預かってもらうことも考えましたが、ここは駅から結構離れた場所なので、ホテルの周辺を観光するならばそれもアリなのですが、チェックアウトの際にタクシーを呼んでもらい花蓮駅へ向かうことにしました。

最初にぼんやりと考えていたのは、列車で1時間程度南に下ったところにある「瑞穗」という駅へ向かい、そこにある昔に日本人が作ったという温泉「瑞穗溫泉(Rueisuei Hot Spring)」へ行って見てはどうかということ。日帰り入浴もできるとのことだったのでツレに提案してみましたが、水着で温泉に入るという台湾スタイルの入浴がどうも気に召さなかったようなので却下。それではと少し手前の「光復」という駅まで行って見ることにしました。「光復鄉」というところには台湾原住民であるアミ(阿美)族の文化施設のようなものがあるとなんとなくどこかで読んだことがある(ような気がした)のと、終戦記念日が近いので「光復」(日本植民地支配からの解放)という地名に惹かれたからかもしれません。

光復までの切符を購入

花蓮駅の自動券売機で光復までの切符を購入しました。とりあえず片道です。荷物をこの駅で預けてしまうか悩みましたが、もし帰りの列車の切符が台北まで通しで買えたなら、今予約している分をキャンセルして台北へ直行しようと思い、そのために荷物は持って光復まで行くことにしました。台湾の駅にはたいてい荷物預かり所があると聞いていたので、行った先でも預けられると考えたのです。

花蓮から光復までは特急自強号で50分。指定席で運賃は94元(350円くらい)と非常に安い。

花蓮駅の西側は非常に近代的な駅舎となっており、日本の新しい駅舎と同様に改札口が2階にあって各ホームに下りて行く仕組み。

東側の旧駅舎は使用されていない状態で残されている。使われなくなった改札口が寂しさを醸し出している。

東側の旧駅舎とロータリー。西側に比べやや閑散としている。

列車内部。車両の中央に中華風の仕切りがあるのはなぜなのか?ちなみにこの列車は電車ではなく汽車(ディーゼル車)でした。

光復駅到着

光復駅に到着しました。ここで列車を降りる乗客もまばらで、いかにも田舎の駅と言う感じです。とりあえず改札(自動改札ではなかった)を出て、帰りの切符を手配しようと券売機を探すが、それはどうやらない様子です。仕方なく窓口の冷たい感じのする美人の女性駅員さんに、時刻表を見ながらあれこれ相談しますが、台北までの直通列車は既に予約でいっぱいとのこと。なので、もともと予約してあった花蓮発の列車に間に合う列車の切符を購入します。滞在可能時間は概ね5時間。駅に掲げられた観光地図を見ながらどこへ行くか考えますが、「太巴塱部落」という地名が目に入ったので、それを紙に控えてタクシーの運転手にそこまで行ってくれるよう示してみるが、どうもうまく伝わりません。タクシーの運転手に行先の地名を見せれば、普通はそこへ連れて行ってくれるもの(タクシーと言うのはそういう乗り物のはず)なのですが、、、、。

そんなところへ行く人(観光客)はいないということだったのかもしれませんが、とりあえず車に乗せてもらったら部落の中心にある「太巴塱紅糯米生活館」というところまで連れて行ってくれました。ここはtripadvisorにも記載があるので、ドライバーが「ここでいいか?」というようなことを聞いて来たけど「OKOK」と答えタクシーを降りました。しかし何らかの情報があるだろうと期待を寄せて入っていったその場所は、なんとお年寄りたちが食事をする集会所のような場所になっていて、原住民文化の展示などはほとんどありません。建物は民族独特の様式で建築されており、それなりに見ごたえはあるのですが気まずくなってすぐに出てきてしまいました。

太巴塱紅糯米生活館。見るべきものはほとんどなし。

中ではおじいちゃんおばあちゃんが食事中でした。

仕方なしにGoogleMapを見ていたところ、ここから徒歩30分程度のところに「太巴塱文化園區」というのを発見し、「これこそ目的の施設に違いない!」と歩き始めました。のどかな田園風景の中を延々と歩くのは悪いものではありませんが、なにせ暑い!さすがに北回帰線はすぐ傍だという場所の真夏の南中時、日光は真上から降り注いできます。文化園區までいければ帰りはバスかタクシーがあるに違いないと信じて歩くこと30分。途中ほとんど人や車とすれ違うことなく到着したそこは、ただの野原でした。ただ昔に打ち捨てられたような廃屋と色あせた看板類が草むらの奥に見えたので、以前は何かしらの施設があったことは間違いないようです。が、今は何もない場所であることも確かで、また歩いて帰るのか、、、としばし呆然としました。

 

役場らしき建物にはトーテムポールが立っていました。トーテムポールってネイティブアメリカンの物では?と言う疑問はその時は出ませんでした。

炎天下のこんな道のりを延々と30分歩いた先には、、、、。

その先には、、、、。

こんな原っぱがありました。。。。しばしボー然とするツレ。

呆然としているだけで暑いので、手持ちの水(というか湯になっていた)を少し飲んで、再びもと来た道を引き返します。街に戻って見つけた雑貨屋ぽいところでビールを2缶買って店先のベンチで飲ませていただきました。よく冷えたそのビールは今まで飲んだ中で1,2を争うほどのうまさでした。

その後もいくつか街の中を見て回りましたが、民族関連の施設は少し存在するもののすべてクローズされており、一体どうなっているのか訳が分からずその街を後にしました。と言ってもタクシーが通るわけでもないので、駅まではまたまた徒歩です。駅からタクシーで10分程度で来た道を45分かけて戻ることになりました。余談ですがGoogleMapの経路検索で出てくる徒歩による予想時間は、驚くほど正確ですね。これだけは頼りになります。

立派な教会がありました。

各住居のポストには民族衣装をあしらった顔が描かれていたりします。

こういうのもありましたが、、、。クローズでした。

戻る道すがらツレと話したのは、以前は民族(原住民)と言うものを活用して村おこし的なことをしようとしたのだけれど、あまりうまくいかず立ち消えになったのではないかと言う推理でした。確かに街並みも他の台湾の田舎と何ら変わるところがなく、固有の民族文化と言うのがほとんど残っていない様子ではありました。残念ではありますが、そういったことを感じられただけでも収穫だ、、、、ということに無理やりして、光復の駅へ向かってとぼとぼ歩くのでした。

帰りの道沿いにあった(おそらく)観光農場だったと思われる場所の幟。もちろんここもクローズでした。

3日目午後 結局この日はなんだったのか

駅前で昼食

再度炎天下を歩くこと40分強、駅前に近づいてきました。時間は2時過ぎ、そういえば昼食を食べていなかったことに気付き、適当な飯屋に入ってお昼を食べることにしました。一応店先で素材を選択する方式のオーダーだけど、野菜しか頼みませんでした。それなりにおいしかったですが、それほど安くはありませんでした。

おばちゃんが作る料理。あとチャーハンとビール。

特急列車で花蓮に戻り台北行きに乗り継ぐ

結局光復の街では何も観光できませんでした。あとからTripadvisorを見れば「光復糖廠」とか観光する場所はいくつかあったようです。マイノリティグループの様子を見てみたいという気持ちだけで、下調べもせずに来てしまったことは反省点ではありますが、それなりに(少なくとも歩数は)充実した1日でした。(ツレはそうは思ってないでしょうけれど。)

先ほど購入した切符で一旦花蓮まで戻り、そこから事前に予約した切符で台北へ向かいます。花蓮まで戻る列車は臺灣鐵道で一番の速達列車である普悠瑪号です。これで台北まで行けたらよかったのですが、人気の列車なので花蓮までしか購入できず。予定通り台北で予約したホテルに到着できるのは20時頃になりそうです。

普悠瑪号の切符。来るときは50分かかったのがこの列車だと35分で花蓮に到着できます。運賃は往きより3元高い97元。それでも安い。

台北到着の後、ホテルにチェックイン

台北でのホテルは台北駅前が都合よかったのですが、折角なので中心街で予約をしました。今回予約したホテルは「ジョリーホテル(晴美公寓酒店)」。台北駅からMRTで3駅の民權西路站(民権西路駅)から徒歩10分。付近には路上の屋台街もあるし、多少到着が遅くなっても食事には困らないと思ってココにしました。3つ星級ですが、建物はまだ新しく、何より部屋が広いのが決め手でした。ベッドスペースとリビングスペースとに分かれた客室構成になっていて、それぞれの境には2段程度の段差とクローゼット緩やかに仕切られています。通常のホテルの客室の2倍程度の広さがあり(まあ料金も2倍程度しますが台北にしては安いと思います。)子供連れの家族でも十分使える広さです。ちなみに使わなかったけどバスタブ付きです。

散らかっていますがこんな感じの部屋です。

欣葉 台菜 創始店

ホテルにチェックインしたのが20時過ぎだったでしょうか。この時間から行ける中華(台湾)料理のレストランはそれほど多くないと聞いていましたので、近くの路上レストラン(屋台)で食べるかとも考えていましたが、事前にツレが親戚から教えてもらっていたおいしい店の名前(欣葉 台菜 創始店)を調べてみると、この日のホテルから歩いて5分の距離にあるではないですか。しかも午前0時まで営業しているとのこと。屋台飯を覚悟していただけに嬉しい誤算です。早速食べに向かおうとしましたが、昨夜の例もあることなのでツレがフロントデスクに言って予約してもらってから出かけることに。

そのお店はビルの3フロアくらいを占めているような大きくて清潔そうなレストランです、夜9時過ぎだというのにお客で結構賑わっています。ここでのオーダーはツレにすべてお任せ。こういう時はツレに委ねた方が何事もうまくいくのです。オーダーは「アサリの醤油漬け」みたいな前菜、「豚角煮(紅焼肉)」、「空心菜炒め」、「カニおこわ」と紹興酒を1本です。お値段はそこそこしますが(カニおこわが高い)、カジュアルな雰囲気にも関わらず非常においしい料理でした。

アサリの醤油漬け 的な前菜。貝の身が生っぽかったので心配ですが、ちゃんと火は通っているとのこと。

紅焼肉(角煮)。見た目と違い非常にあっさりとした上品な味。

空心菜モリモリ。いつもこれを注文している気がする。

メイン?のカニおこわと紹興酒。紹興酒は一番安いのを注文したら甘みが少なくややとげとげしい味でしたが、料理に合わせるにはこれくらいでも十分でした。ポットのお茶も提供されます。

ホテルまでの帰りの道すがらの屋台街。これはこれでおいしそうだ。

<<前へ 記録の一覧 次へ>>

今までの旅行記

 

コメント