4.台東から池上で池上便當を食べて宜蘭へ(3日目)

2019年11月|台湾島東部へ再び
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この日は台東のホテルをチェックアウトして、台湾島を北上します。途中の池上ではレンタサイクルで付近を散策して、名物の池上便當を昼食に食べる予定。宿泊地は出発の直前まで、前回宿泊した花蓮に一泊するか、もう少し北上して宜蘭かと思っていたのだけれど、最終的には宜蘭の少し手前の羅東と言う街に宿泊することにしました。

3日目午前 池上便當を食べに池上へ

ホテルで朝食の後チェックアウトして池上へ向かう

さて本日は昨日ほど朝早くに出る必要はないので、ゆっくりとホテルの朝食をいただくことにします。ここのホテル設備等は新しくていいのだけれど朝食はイマイチ。決してまずいわけではないけれども、中国本土の4つ星ホテル(3つ星でも)ならもう少し豪華な朝食が出るのにとやや残念に思います。台湾でおいしい朝食を食べたければ外で食べるのが良いようです。特におかゆはいただけません。普段ホテルの朝食で粥を食べることは少ないのだが、なんとなく食べたりない気がして粥をとってきたらなんとお湯をかけた残りご飯のようなものだった。粥と言えどもきちんと生米から作るべきで、少なくとも本土ではまずい粥を食べたことがないのでちょっとショックでした。台湾では粥は食べないのだろうか。そういえばあまり見かけない気がします。

当初はチェックアウトの後、台東新駅を9時過ぎに発車する列車で池上に向かおうと予定していたのだが、昨夜はなんとなく疲れていたし、天気も良くなさそうなのでバスでゆっくり行こうかとも思いました。しかし朝食を食べ終え時間を見ると当初の予定にぎりぎり間に合いそうな雰囲気だったので、急いでチェックアウトして新駅行きの一番発車が早いバスに飛び乗りました。列車には間に合わないかもと思いましたが、なんとか5分前くらいに駅に到着。切符は買わずに交通カードで改札を通過します。今回は特急列車ではなく、いわゆるローカル列車である「區間車」なので事前の予約は必要なし。そこでやってきた區間車に乗車してびっくりしたのは、昨日の朝朝食屋で一緒で、その後同じバスで三仙台へ向かった(おそらく)日本人のおっちゃんに再遭遇したことです。ここで再度こんな変なスケジュールを組む人がほかにいるんだと感心をした次第。おそらく下車するのも私たちと同じ「池上」だ、と思っていたらやはりその通りでした。

區間車はこんな感じの日本でもありそうな普通の車体。

内部はこんな感じ。日本の通勤型列車とほぼ同じ構造。この後奥の座席にあのおっちゃんが乗り込んでくる。

池上駅の駅舎もモダンな作り。このあたりJR九州に似ている。

木と鉄のハイブリッド構造。

レンタサイクルで金城武の樹を見る

池上と言うのは水田が広がる単なる農村地なのだが、ここに観光客が群がるのには2つ理由があります。1つは広大な水田の風景を縫って整備された自転車道。近年台湾ではどこに行っても自転車道が整備されていて、自転車を列車に容易に持ち込めるなど、エコツーリズムの普及に注力している様子がうかがえます。その自転車コースの中に、台湾でも人気の金城武(かねしろたけし)がその木陰で休憩をしたという「金城武の樹」と言うのがあって、それがまた人気だそうです。2つ目の理由は、ここが台湾で一番おいしいコメがとれるところだということ。日帝統治時代にはここのコメを天皇に献上していたとか。その米を使った弁当(駅弁)が有名で、その駅弁を食べにバスツアーでやってくる人もいるくらいです。この2つをうまく観光に結びつけたのが池上郷の人気の秘訣と言うことでしょう。

残念ながら小雨まじりのサイクリングにはあまり適当ではない天気だったが、駅傍のレンタサイクルショップで自転車を借ります。普通のママチャリ(変速機付き)なら1台1日100NTDだったと思います。その他、マウンテンバイクや電動アシスト付き自転車、電動の並列2人乗り自転車と言うかカートもあるが、私たちは普通の自転車(ママチャリ)をチョイス。特に坂道があるわけではないのでこれで問題ありません。

さっそく借りた自転車で田園風景の中に漕ぎ出します。11月初めはちょうど2回目の稲刈りのシーズンに入る直前で、一面の田んぼで稲穂が風に揺れる風景は私には新鮮でしたが、農家育ちのツレには普通の風景だったようです。天気がよく晴れわたっていたなら青空と金色の田んぼのコントラストが楽しめたのかもしれないが、この日は終日小雨まじりの天気であまりきれいな写真が撮れなかったのが残念です。

まずは広大な蓮池を通過。花はあまり割いていなかった。

一面の水田風景。空の色が寒々しくて残念。

本日の愛車ママチャリ1号。変速機付きで整備状態もよくGOOD。

場所によって生育状況はいろいろだけどもうすぐ収穫と言うところも多い。

金城武の樹の前では撮影順番待ちの人(特に男性)が列をなしている。

この薬缶が目印らしい。薬缶は台に溶接されていて動かない。

中国人は全般にそうだが、みんなこういうところで自分の写真を撮りたがる傾向にあります。撮影順の列がきちんと守られているのは台湾ポイところだが、撮影の方向は決まっているようで知らずに樹の後ろの映り込んでしまう位置にバイクを止めたおっちゃんは、みんなから非難の声を浴びていました。、この樹(金城武の樹)がなぜこんなに人気なのかあまり理解ができないのだが、以前の台風の際、この樹が根元から折れてしまったのを日本の樹木医の力も借りながら再生させたという逸話からもその人気ぶりはうかがえます。

静かな田園風景のようだが、実はこの通りの混雑ぶり。

田んぼの中の農道では自動車の通行が規制されており、2〜6人乗りの自転車?もノンビリ気持ちよく走れます。子供連れでも心配は無用でしょう。

この付近は自動車の乗り入れが禁止されているので、こういった電動カードによるツアーもたくさん催行されている模様。

私設駐車場には「金城武の樹に一番近い駐車場」というような看板が掲示されていて、金城武は客引きの手段としてなかなか有効であることがうかがえる。

無効のリンク

金城武の樹の周辺は混雑も激しいので早々に引き上げ、ほかのところを見て回ろうとふと見つけた看板に「台東県客家文化園区」というのを見つけたので行って見ることに。徒歩ならちょっと躊躇する距離でも自転車なら気軽に行ける、、、と思って到着した先は「定休日」でした。我ながらこのパターンには今まで何度遭遇しただろうか。仕方なくその近くの「池上牧野渡假村」という宿泊村みたいなところへ行って見ますが、動物園?を併設したような広大な敷地に宿泊棟が点在するようなちょっと「パラダイス」な感じの施設でした。ここにあった「愛の鐘」はそれを鐘を撞くのが非常に困難な仕組みになっていて、ますますパラダイス間が強まります。

池上牧野渡假村の入村ゲート。

愛の鐘 永浴愛河。

鐘を撞く撞木(撞き棒)は鐘の方を向いていない。深い。。。。

3日目午後 池上から宜蘭はやめて羅東へ

焼き湯葉を食べて池上便當を食べる

お昼に近くなってきてそろそろお腹も減ってきたので、駅の方に引き返し「池上飯包博物館」で駅弁(飯包)を食べることにします。ここは博物館と言う名前ではありますが、ほぼ全館が便當(弁当)を食べるスペースに使われてしまっています。最近急に人気が高まりバスで乗り付ける観光客も多いようで、そうしないと追いつかないのでしょうけども、「バスで来たんならバスの中で食え」と思うのは私だけでしょうか。ただ当時の列車が置いてあってその中で旅情に浸りながら食べることができるなど趣向にとんだ仕掛けがあることも確かなので、まあ仕方がありません。

池上飯包博物館へ向かう最中に、ツレが「豆腐屋みたいなのがある」のを発見しました。事前の調べでこのあたりに出来立ての湯葉を焼いて食べさせる店があるのを思い出し、昼飯前ではあるが寄り道してみることにします。そこは「大池豆皮店」といって店先にテーブルを並べただけの店で、入り口で注文をするときにテーブル番号を伝えるスタイル。お昼ご飯前なので、湯葉(豆皮)1つと私は豆奨、ツレは豆花を注文します。食べてみると思ったより豆の味が濃く、おいしいものでした。

愛車

店の前の感じ。

一所懸命ゆば製作中。

湯葉、豆乳、豆花セット

この看板が目印。

無効のリンク
ツレ
ツレ

ゆば焼きのサクサク感が美味しい!

休憩がてらに是非立ち寄ってみて。

さて目的の「池上飯包博物館」ですが、お昼少し過ぎていたというのに結構混んでいます。外に留め置かれた客車の中で食べることもできるが、なんだか気恥ずかしいので建物2階の学校の教室を模した机で食べることにします。注文したのは揚げた鶏の便當と、煮た鶏の便當それぞれ1つ。回転が速いので熱々の状態で買えます。おかずの鶏もなかなかおいしかったし、米飯ももっちりした確かにおいしいご飯でした。また駅で買う駅弁とは違い温かいまま提供されます。揚げ鶏はパリパリ、ご飯はホカホカ、これは他に代えられません。

客車のイートインスペース。

博物館機能は随分縮小されてしまっている。

米の直販もされてます。

揚げた鶏の便當

煮た鶏の便當

給食の時間を思い出す風景。

スープはセルフで飲み放題。

池上飯包入り口

ツレ
ツレ

車両の中でお弁当を食べることも出来るし、

作りたてのお弁当は予想以上に美味しかった!

列車で花蓮を経由して羅東へ

池上便當を食べた後、池上駅へ戻り今日の宿泊地である羅東へ向かいます。実は宜蘭までの切符を用意していたのですが、夜市は羅東のほうが大規模だと聞き急遽羅東で途中下車することにしたのです。羅東から宜蘭までは列車で10分程度、最悪タクシーで移動しても代金はしれているので特に問題ありません。それよりどうしても池上から宜蘭までの列車の予約ができなくて、良く調べてみるとやはり花蓮から台北までが人気路線で予約が取りづらいようです。なんとか「池上~花蓮」「花蓮~宜蘭」の2つに分けて発券することで予約が取れました。

池上~花蓮、花蓮~宜蘭の2つに分けてやっと予約できた。

池上から花蓮の間は「普悠瑪号」、花蓮から宜蘭(実際は羅東で下車)の間は「太魯閣号」という臺灣鐵路の2つの特急列車を乗り継ぐことになりました。花蓮での乗り継ぎ時間は30分程度なので特に何もできませんが、以前前を通って気になっていた「今まで見た中で最小のスターバックスコーヒー(店内4席)」を写真に収めることはできました。

私の中では過去最少規模のスターバックスコーヒー。

 

乗り継ぎ含め3時間弱で到着した羅東駅は、今までの臺灣鐵路の駅らしくないクラシックな駅舎でした。これはこれで悪くないです。宿泊するホテルは駅前すぐの「Hive Hotel(嗨夫精品旅館)」。Agodaで急遽探したのですが、比較的安価で便利な場所のホテルが予約できました。いわゆるブティックホテルというやつで、洒落た内装のホテルで清潔感もありGOODです。夜市にも徒歩圏内だし非常に便利だし地下にバーがあったりしてオシャレ感の演出もなされています。朝食は3つのパターン(サンドイッチ、トースト、ヌードル)からチェックイン時に選択しておくタイプでした。

羅東の駅舎。今回の台湾旅の中では一番クラシカルなタイプ。

HIVE HOTELの廊下。洒落た演出がされています。

ホテルの部屋。一番安い部屋だが、スーツケースも広げられるしまあ十分な広さ。天井はコンクリートむき出しの荒々しい意匠。

HIVE HOTELの地下のバーラウンジ。朝食場所としても使用。 agoda提供

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無効のリンク

夕食は人気の鳥料理店

さて、毎回失敗の多い夕食の店選び(本人たちはそれでも十分満足しているのだが)だが、今回はツレが慎重に(Googleマップで)吟味して、ホテルから徒歩10分強の場所にある「雞肉亮黑白切」というお店。トリップアドバイザーには掲載されていないようですが、(繁体)中国語のWEBページにはよく出てくるようです。なんでも「【宜蘭】羅東人激推!令人銷魂的文蔥雞 雞肉亮黑白切 食尚玩家」とかいうyoutubeがあったりして現地人には人気のお店のようです。6時半くらいに行ったのですが既に行列ができていました。

注文はチキン以外は注文用の伝票に自分で書き込むスタイルのようです。肝心のチキンは伝票上の漢字ではわからなかったので、お店の人に「スパイシー」か「ノットスパイシー」かを伝えました。待つこと10分程度でテーブルに案内され、注文した料理もほどなく到着。チキンはスパイシーとノットスパイシーを1皿ずつ注文。スパイシーは激辛ではない食欲が増進する辛さでこれもうまいのだが、ノットスパイシーの方の葱ソースが絶品。チキンは1人ひと皿(たぶん大小があったと思う。小100NTD。)と適当なご飯ものか麺を頼めば良いです。私たちは注文しませんでしたが、この他にも小皿料理もあるようです。ビールも1本頼んで2人で300NTDくらいだったと思います。そうそう、箸とか取り皿とかは自分で奥の棚に取りに行かないといけません。

文蔥雞(葱ソース)と口水雞(ヨダレ鶏)、あとは清菜と魯肉飯。スープも頼んだかな。

雞肉亮黑白切 入口の看板。

入口に調理場があって奥に客席がある一般的中国スタイルのお店。

お店の場所のGoogleマップ貼っておきます。

雞肉亮黑白切 · No. 83號, Section 3, Zhongshan Rd, Luodong Township, Yilan County, 台湾 265
★★★★☆ · 台湾料理店
ツレ
ツレ

小さいお店ですが、思い切って入ってみて。

あまりゆっくり出来る店ではないので、蒸し鶏のみ食べて

ハシゴするのも良いかも。

蒸し鶏ネギソースはたまらない美味しさでした。

羅東夜市へ

食事のあとはいつものように夜市めぐりに繰り出します。宜蘭周辺では一番大きな夜市とのことだったので、期待して徒歩15分程度で夜市のある「羅東中山公園」に到着です。この夜市は公園の周囲の道路を夕方以降車両通行止めにしたところに屋台がたくさん出ています。一部の店舗では店の奥や隣に内用(店内飲食)のテーブルが用意されていますが、基本は買い食いのスタイルのようなので、ゆっくり食事するような雰囲気ではありません。羅東のある宜蘭縣の三星という地域は葱の名産地らしく、ネギクレープ(蔥餅)が美味しいと聞いたのだが、それほどたくさん蔥餅の屋台があるわけではありませんでした。ひとつ見つけた屋台で蔥餅を注文してみたが、まあ美味しいのだけれどもクレープがモサモサしている割に葱の量が少なくちょっとがっかり。

クレープの主張が強い蔥餅。不味くはない。

モサモサ蔥餅を食べて更に徘徊していると、別の蔥餅屋を発見しました。というかさっきも見つけていたのだが、客が誰もいなかったのでパスしていたのでした。今度通った時にはお客がちゃんといたので、ここでも再度注文してみます。こちらのはお椀に生地を広げてその中に肉餡と葱をギュウギュウに押し込んで多めの油でぱりっと焼きあげるタイプ。上海にある生煎包(焼き小龍包)と同じ感じです。これを持ってホテルの部屋に戻り、コンビニで買ったビールと共に食したら絶品でした。先ほどのモサモサもこれと同じ35NTDは納得いかない。「三星蔥餅」と書かれた屋台に行かれることをおすすめします。

緑の看板が目印。写真では見切れてるが「玉本鋪 三星蔥餅」という屋号。Googleマップにも出てくるが、屋台なので場所は保証できない。

注文の度に隣の助手が皮に肉餡と葱を包み主人が焼き上げる。手前のサンプルは決して大げさではない。

ホテルの部屋で実食。葱ぎっしりで超うまい。

コンビニで買ったチェコ産のビール「ピルスナーウルケル」。これうまいんだな。蔥餅のお供にもよし。

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