チャンアンはベトナムの首都ハノイの南、車で約2時間のところに位置する世界遺産登録された地域です。東南アジアでは初の複合遺産として登録されています。手漕ぎのボートでクルーズしながらの観光で有名です。主な見どころは以下の3つです。
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チャンアン=タムコック=ビックドン景勝地
手漕ぎ(足漕ぎ?)のボートに乗ってその独特の景観を見て回ることができます。ボートクルーズの出発点は「チャンアン」と「タムコック」の2ヶ所あり、それぞれ特色があるようです。タムコックの方は水田の中を進むコースでどちらかというと生活感を感じるコースとなっており、一方のチャンアンはカルスト地形のせいで自然にできた洞窟をいくつもくぐってゆくような自然を感じるコースのようです。タムコックのボートクルーズの方は世界遺産に登録される以前からあり、クルーズの折り返し点で待ち構える物売りのしつこさや、チップを要求する船頭との攻防につかれるといった声がありましたが、新しいチャンアンのコースができてからは比較的おとなしくなったそうです。
タムコックは水田風景を楽しめる時期でないと殺風景かもしれませんので、冬場(ハノイ近郊には冬の時期があります。)はチャンアンの方に行く方がよいと思います。
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古都ホアルー
ホアルーはチャンアンの船着き場からさらに奥(北)へ徒歩なら1時間程度、ベトナム最初の独立王朝とも言われる丁朝の首都がおかれたところです。現在そのころの遺物は残っておらず、後の世に再建された寺院だけが残っています。
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ヴァンロン自然保護区
正確には世界遺産であるチャンアンの域内ではありませんが、最寄りの街のニンビンから車で40分程度のところにあり、ここでもボートクルーズによる景観の鑑賞ができます。先のタムコック、チャンアンでは現代的なスチール製のボートに4人を乗せてのクルーズですが、こちらでは竹製のカゴに漆喰を塗っただけのようなボートでクルーズします。ボートの大きさも小さく、基本船頭と2名の乗客で運行します。規模ではチャンアンに負けはしますが、ここでは運がよければ黒い体毛でお尻だけ白い猿(ホワイトトランクスモンキー)や、水辺にいる真っ青な小鳥(カワセミ)などの動物に出会うことができます。
アクセス
ハノイからアクセスする場合は、最寄りの街である「ニンビン」へ行くことになります。ニンビンへの公共交通はバス又は鉄道があります。ボートクルーズを楽しむだけならハノイからの日帰りも十分可能だと思います。
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ハノイからバスで
ハノイからニンビンへのバスは、ハノイ市南部のザップ・バット(Giáp Bát)バスターミナルに発着します。バスターミナルまでは公共バスを使うか、タクシーを使用してもそれほど料金はかかりません。(ハノイ駅から4~500円程度。)どのバスかわからなければ(多分わからないと思います)、周囲の人に聞けば教えてくれるでしょう。料金は1000円くらい、バスに乗ってから車掌に支払います。所要時間は2時間弱。前もってチケット売り場で運賃を支払うこともできると思います。バスはニンビンのバスターミナルに到着するので、そこからタムコック又はチャンアンまではタクシーを利用します。ほぼメータータクシーですが、まれに白タクもいますのでその場合はきちんと値段交渉してください。ニンビンに宿泊するならホテルの場所によっては徒歩での移動も可能です。
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鉄道で
ハノイからベトナム統一鉄道でニンビン駅へアクセスすることも可能です。少し遠回りするので所要時間は約2時間半。駅前からタクシーを利用するのはバスの場合と同じ。駅はニンビンのバスターミナルよりさらに南にあるので、徒歩でニンビン市街へ行くのはしんどいかと思います。ベトナム統一鉄道のチケットはインターネットで購入することができます。

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ハノイから日帰りツアーに参加
自分で手配するのが面倒あるいは心配な場合は、ツアーに参加してしまうのが一番手っ取りばやいと思います。大抵のホテルではツアーの取り扱いをしているので、聞けば翌日のツアーには大抵参加できるでしょう。日本から現地ツアーの予約をしておくこともできます。人数があつまれば、ツアーではなく車を1日チャーターするものよいと思います。
宿泊
ゆっくり見て回ろうとするなら、やはり現地に宿泊するのがよいです。宿泊できるエリアとしては大きく2つに分かれます。
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ニンビン市内
やはり市街地に宿泊するのが何かと便利と考えるのであれば、ニンビン市内に宿泊して各観光地へはタクシー又はカーチャーターを利用します。天候がよければレンタサイクルという手もありますが、私たちが見た限りではレンタサイクル屋は付近になく、ホテルに相談したらレンタルバイクを勧められました。オートマティックのバイクが比較的安価で借りられるようですが、私たちが行った時期は結構寒かったのでお断りしました。
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タムコック周辺
私たちは結局タムコックへは行かなかったのですが、昔からボートクルーズでにぎわっているエリアであるのでチャンアン周辺よりもホテルの環境は充実しているようです。高級ホテルからゲストハウスまで選択肢はたくさんあります。この周辺のホテルならレンタサイクルを用意しているようで、チャンアン周辺ではレンタサイクルに乗った観光客を幾人も見かけました。
注意点
治安やトラブルに関して特別注意する必要がある場所ではありません。安心して観光をすることができます。ただし気候に関しては要注意。私たちが行ったのは12月末でしたが、ベトナム北部には明確な「冬」があります。これはニンビン近郊も同じ。ボートクルーズに参加する場合は、防寒対策は万全にしておきましょう。ウインドウブレイカーの上にユニクロダウンを重ね着するくらいでちょうどよかったです。あと首周りにはマフラーなどあったほうがよいでしょう。
逆に夏場は相当暑くなることが予想されます。ボートに乗ると逃げ場がなくなるので(チャンアンの場合定期的に上陸するポイントはありますが)、帽子と水は必携です。暑い代わりにきっときれいな写真が撮れるでしょう。
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